蕪Log

同人サークル「蕪研究所(ブラボ)」だったり、日常のよしなしごとだったり。あらゆる意味で日記です。

結局長文執筆者は(ry 「iPad Pro(11inch)」編

前回の投稿からすでに二ヶ月。需要があるのかどうか分からないけれど、書くと約束したからには、後人の為に情報を記すのが我々ガジェットオタクの使命であります。

結論から先に書くと、僕はSurface Goを売却することに決めました。iPad Proで書いていく事に決めたというわけです。

その決め手はなんだったのか? というわけで、長文執筆におけるiPad Pro(11inch)の善し悪しを書いていきます。ご購入の検討材料にどうぞ。

機器スペックについて

僕が買った64GBモデルは、実効メモリ4GBだそう。

なのでメモリに関して言えば、Surface Goと同等の性能を有しています。

プロセッサに関しては、アーキテクチャが異なるので単純な比較は控えます。

長所

*をつけたトピックに関しては、総評の部分で詳述します。

・画面がデカイ。Surface GOと比較して体感で1.2倍くらい大きいです。iPad側がホームボタンを廃止してまで推し進めた省ベゼル化の恩恵が、もろに感じられます。画面がデカイとその分1ページが大きく表示できるので、視認性が上がり誤字発見などに役立ちます。

・画面の縦横比が4:3。つまりA4原寸表示が画面いっぱいに出来ると言うことです。紙面の圧や黒さをより明示的に見ることが出来ます。

・充電がUSB Type-Cなので他の様々な機器と充電ケーブルを共有できる。

・*他に色々な洗練された、アプリを使うことが出来る(オンプレミス・クラウドベース問わず)

短所

*をつけたトピックに関しては、総評の部分で詳述します。

・Officeを使うにはサブスクリプション契約が必要。Office 365の契約が必要です。

・*Wordとの入力相性が致命的に悪い。もはやバグを疑うレベル。

・他にも色々アプリを入れていると通知が鬱陶しいことがあります。もっとも、通知は切ったらいい話なので、そう悩む部分でもないかも知れません。

・*iOSの機能でマルチウィンドウ機能が実装されたとはいえ、マルチタスク性においては僅かにWindowsに軍配が上がります。資料を開きながら執筆をしたいシーンにおいては、もう一枚iPadが必要かも知れません(?)

総評

iPad向けWord(あるいは、Onedrive)は使い物にならない

Wordでの執筆のみを考えるなら、Surface Goに軍配が上がるのは間違いありません。その理由はひとえに、iOS向け(?)のOffice、特にWordの使い勝手の悪さにつきます。

まず、キー入力から画面への反映に、コンマ一秒ほどのラグがあります。時には入力した文字列が確定するまで、全ての文字列が見えないことも。これは「タイプの速さで物を考える」「形にしてから推敲する」物書きには致命的です。

さらに、入力のみならず編集にも難があります。カーソルキーによる入力位置の移動がキャンセルされることがあるのです。狙いの位置にカーソルを持っていくことが、出来ないことがあるというのが難点で……完全に出来ないのであれば期待せずタップで移動するのに、出来たり出来なかったりするので非常にストレスが溜まります。

以上はOnedrive上に配置したWordファイルを編集する際に発生した問題点です。完全にローカルな環境でWordファイルを作成、編集する分にはもしかすると問題ないかも知れません。ただ、私がWordを利用する理由として最も大きな物が、Onedrive経由での同期であったために、上記の問題点は看過できませんでした。

iPadを残した理由

しかし、冒頭でお伝えしました。私はSurface Goを売り、iPad Pro 11inchを手元に残しました。上記の問題点を補ってあまりある利点が、iPad側にはあります。それが「クラウドサービスをアプリで使える」という点です。

Surface Go編でお伝えしたとおり、Surface Goはタイプカバーキーボードとの併用が前提となっています。従ってマウス操作を出来ない状況は想定されておらず、その結果一部の"右クリックやドラッグが必要なWebアプリケーション"をSurface Go単体では扱えませんでした。

上述したアプリケーションを何に使っているかと言えば、プロットとアイデア出しになります。これをアプリで使えるとどうなるか。サービスにも依りますが、利点は二つ。

・モバイル環境に最適化されたUX

・オフライン利用が可能

この二点につきます。換言すると、どこでも快適にアイデアだし・プロット編成ができるということです。これ、重要じゃないですか。

プロット練り5割、執筆3割、推敲2割

面白い物語になるかどうかって、実際のところプロット出しの段階で半分くらい決まっていると思っています。更に重要なのが、小説執筆においてプロット編成の段階で獲得した”良さ”が最後の加点要素だと言うことです。

執筆の段階における加点はほとんど無いと思っています。むしろ、論理的破綻をどう無くすか、おかしな文章をどう無くすか……といった、読者が感じる減点要素をどう潰すかに注力するべきだと考えています。

つまりなにが言いたいかというと、執筆よりもプロット練りに時間とコストを掛けた方が、コスト対面白さの点で有利だと考えると言うことです。

そのため、私はiPadを選びました。アプリと軽快な動作に支えられたリッチなUXによって、実際のところプロット作成は大いに捗っています。作成したプロットはクラウドベースのサービスにあるので、あとで執筆用のパソコンから参照するなり、そのままiPadで参照しながら(不本意ではありますが)Wordによる執筆をすることもあります。

マルチタスク性は執筆に必要か?

私の執筆観念からすると、「2ウィンドウあれば十分」というのが本当のところです。

つまり、執筆用ウィンドウと、プロット表示用ウィンドウです。これ以上要りますか。いるとしたらキャラ・時代設定のウィンドウですが、それはプロットに盛り込まれているはずなので常時表示する必要は無いと考えます。

すなわち、iPadで表示できる2分割ウィンドウで十分足りるというわけです。

結論

私はiPadを選びました。

お互いに対して相当アゲもサゲもしたと思うので、後はどうぞお好きな方を。

私の次の旅は、iPad用の優秀な執筆ソフトを探す旅です。どうぞご期待下さい。