蕪Log

同人サークル「蕪研究所(ブラボ)」だったり、日常のよしなしごとだったり。あらゆる意味で日記です。

ずいぶん前に作家と呑んだ話

GW中の話は楽しかった日々が過ぎ去ったあとに思い出して、辛い日々の糧にしたいのでいったん置いておいて。

ちょっと前に、とある作家さんとお話をしたのを思い出したので、その会話で得たことをメモ書き程度に残しておこうと思います。

結論から言うと、その作家さんとは「作家としてのありよう」が正反対で、お互いにそれを納得して終わりました。

僕は未だアマチュア作家です。対して先方はプロとして何冊も本を出していらっしゃいます。そのことを念頭に置いて以下を読んでいただければ幸いです。

1.物語の着想はどこから来るか?

物語を書きはじめるとき、必ず、切欠があります。これを書きたいと思う切欠、物語の端緒、原点が。

それを探す方法から異なっていました。

作家さんの方は、「外」を見ていました。

例示すると、目が見えないというディスオーダーがある。ではこれを(不謹慎ですが)面白くするにはどうしたらよいか。もう一段階掘り下げてしまうと作家が特定されてしまうので掘り下げられませんが、こういう感じです。

この世にある出来事を掘っていく

それが作家さんのやり方でした。

対して僕のやり方は、「モチーフ」を扱うことでした。

拙作「Illumina」では、「人形」というモチーフを扱おうと先に決め打ちして、そこへ当てはめられる葛藤、心情を埋めていくという手法を採っていました。

物語中にありそうな心情を妄想していく

これが僕のやり方でした。

2.物語の展開はどのように決定するか?

作家さんのやり方は、「テーマから枝を張るように決定する」ことでした。

例えば……ディスオーダーを持っている主人公がいたら、それをサポートする誰かがいる。それ以外にも交友関係があって、そしてそれぞれがきちんと課題と葛藤を持っている。ではその課題と葛藤を解消するためにはどういう出来事が必要か……

書いてみれば当たり前のことなのですが、そういうやり方をしていたことに、啓蒙されたという自分がいました。

上記の方法をマスターしていれば、物語はどこからでも書き始められます。

対して僕は、「先頭からしか書けない」タイプです。

物語のテーマとなる一文を最初に提示して、そこからキャラクターの思考をある程度コントロールしながらもそれに任せて物語を展開させ、要所要所のキーポイントとなる出来事に着地させていくスタイルです。

なので、「キャラの気持ちが書いてみないと分からない」という致命的な欠点を抱えています。

3.何処まで計算するか? という違い。

上記をまとめると、プロの作家さんは、書き始める前に「尋常じゃない量の計算」をしていることが分かります。

対して僕は、キャラの役割だけ決めたら、あとは結構場当たり的に書いていることが分かります。

ここまで読んでいただいてお分かりかも知れませんが、これが、僕がプロとアマの分水嶺だと考えている部分です。

どれだけ、計算して物語をコントロールするか。

キャラが勝手に動いた、なんて言うのは、100%アンダーコントロールな物語を書いてなお発生するから面白いのです。

それ以外の場合においては、考慮不足です。プロットか、キャラ設定が足りません。

とはいえ

今から執筆スタイルを変えるのは難しいので、しばらくはこの感じで行こうと思っています。

お世辞か本音か、「今のスタイルを無理矢理変えようとすると良さが潰れる」「近いうちにデビューするだろう」というお言葉も頂きました。

ひとまず、それを信じて執筆活動にいそしもうと思いました。