けものフレンズ感想まとめ
ついに光回線は来ませんでしたが、スマートフォンでニコニコ生放送の席を取り、けものフレンズ最終話を見ていました。
感想をまとめておきます。
けもフレは救い――生きていて良いんだ――
「大丈夫、フレンズによって得意なこと違うから」
このサーバルちゃんの一言から、思えばこの作品の方向性は定まっていたのだと思わされます。
ヒトたる視聴者よ、お前は生きていて良いんだ。その強烈なメッセージです。
けものたちの中で唯一のヒト、それがヒトとして誰にでも備わった知性を披露することでけものの中で評価を得ていく。「ヒトで居てよかった」「ヒトって素晴らしいんだ」と、視聴者がヒトである限り万人に届く自己肯定のメッセージです。
そんなヒトもこの世界ではフレンズです。けものの中でけものの持つ始原の純粋な、生きる指針をメッセージとして受け入れます。「美味しい物食べてこその人生」「苦難は群れで分け合うもの」などなど。人として現代社会に生きる私たちから失われつつあった生物としての原則を、このアニメは再充填してくれます。
ヒトよ、お前はただ、「考えるのが得意なフレンズ」なのだと。けものであるお前を受け入れよう、ジャパリパークは。
「けものはいても のけものはいない」
キャッチーなOPの言葉ですが、本編を見れば、どんな人もけものである以上、除け者にはならないんだという安心感を強く与えるシナリオになっていました。
前向きで建設的なシナリオ
作中で、キャラクターが相手を人格的に攻撃する描写は、一度もありませんでした。
常に建設的、物語と問題を進行する方向にキャラクター同士の会話が進行しています。彼女らはけものでありながら(あるいは、けものであるからこそ)ドロドロした感情からは自由な存在であり、故に合理的なのです。
減点出来ない隙の無いシナリオ
けものと、ヒトから生まれた純粋な知性の結晶たるかばんちゃんの織りなすショートストーリーの連続であることから、この物語は徹頭徹尾、ヒトの醜い部分を描かずに、ただ綺麗でまっすぐなシナリオをずっと紡いできていました。
故に、優しく包み込まれることはあっても、心に鋭く突き刺さる描写は少ない。誰かの傷を深く抉ることもなく、誰かの心を固く突き破ることもない。ただ徹頭徹尾、ヒトがけものであることを受容するシナリオ。コメント総数120万、来場者数22万人を数えるほど、万人に受け入れられたのはこの成果が大きいと感じます。
個人の経験と心情、信条にかかる係数を極力排したシナリオ。それは大打撃のない代わりに、致命傷もない、まさに、ど真ん中の王道を突っ走った、100点のシナリオでした。(その点で物足りなさを嘆く感想も散見されました。それにはそれで、同感ではあります)
ヒトは皆のフレンズたり得るか
しかし、ヒトの自己肯定というエゴだけに終わらないところが、けものフレンズというアニメをこの土壇場で急激に好きになりこの記事を書くに至った理由です。
作中、クライマックス。
かばんちゃんの知性に助けられたフレンズたちが、その恩恵を応用しながら、彼女を救い出します。
セルリアンに呑まれた結果、かばんちゃんはヒトのフレンズではなくなってしまいます。しかし、博士が言うところの「元の姿に戻った」かばんちゃんは、フレンズだったころの記憶と感情を持ち合わせたまま、フレンズ達と再会します。
感動的なため息の漏れる場面です。同時に、これはヒトを描きながら、同時にけものとの付き合い方を描いてきたけものフレンズというアニメのメッセージのようにも感じました。
ヒトはフレンズでなくなってもヒトであり、かつヒトは知性を留めた存在であるから、皆とフレンズで会った記憶を失わず、故にヒトは皆のフレンズたり得るのです。
動物園のおにいさん、おねえさんたちによるけものとの触れあいを端々に挟みながら進行してきたけものフレンズですが、ここに来てヒトという生物の生態に言及しました。
ヒトよ、けもののフレンズであれ、と。はっとさせられました。
けものフレンズに対する投資先を見つけられなかったフレンズ達が動物園に殺到したと聞いています。そこで生の動物に触れることで、ヒトは忙しさの中で忘れていた一つの事実に気がついたと思います。
ヒトはけもので、この動物たちもけもの。同じフレンズなのだ、と。けものに対する関心を取り戻したのではないか、と思うのです。
とかくけものを除け者にして生きがちなヒトですが、そういった意識に一石を投じることにも成功したのではないでしょうか。考えすぎでしょうか。
続編があるらしい?
嘘か本当か、二期があるらしいと言うツイートが散見されていて、今から楽しみです。
火山活動の噴出物、地球の熱という始原の火を受けて、けものが得るのはヒトの知性と言語でした。
セルリアンは火より生まれた灰、熱=知性を求めてさまよう亡者でした。
知性の申し子たるヒトが、セルリアンと闘争していた背景も描かれました。二期ではその辺りを掘り下げてやってくれると良いなと思っています。
多少シリアスよりになっても全然構いません。私にとっては、多分それが、100点×100点で、10000点くらいのシナリオになると思いますので。
かくりよプレイログ
転居しました。おおむね快適ですが、光回線の工事が難航しています。
荷物を取りに実家へ帰ったとき、ここぞとばかりにPCを借りてインターネットをしています。同人誌、印刷所の手配。けものフレンズの一挙放送。そしてかくりよの門です。
「式姫」と呼ばれる和風だったりエスニックだったりする女の子を従えて、名だたる妖怪の名を冠した「あやかし」と戦うリアルタイムRPGです。
今日のプレイでは、今まで触ってこなかった「聖域」への構造改革をいくつか行いました。
無間弓を持ったかやちゃは、技憑依で十分
今迄かやちゃんには重+重のステータス伸び最高となる憑依を着せていました。
しかし今、かやちゃんの手にはATK140の無間弓があった。ステータスは捨てて、技を取ろう。
そこで、せっかく浮かすならと技憑依をしてみることに。ここに澄姫の持ってきた凶スキル。リキャストわずかに12秒、ダメージでいえば2500.こんな技ほっとく手はない。かやちゃ第五の技としてインストール。
するとリキャストが切れない切れない。その技は役2Tに1回発動可能なので、キャストに2Tかかる他の技の間にスポットはまるんです。 攻撃技としての火力もらせん程度にはあるので、技を一つはずし、デバフを技に追加しました。
現状構成
螺旋10
閃矢10
砂塵列弓
凸天突
すみき技
これでうちのかやちゃは無限砲台となった。
あいた憑依枠は縦の子へ
憑依枠が空いたので、縦の子についていた憑依も見直し、重+技編成にしました。
とりあえず憑依技は刀奥義動「一閃」としてありますが、そのうち金剛の構えになっていきそう。
術パの盾について、幽霊を検討中
物理カット20%を当て込んで。まずは呪い攻撃力のボーナス埋めから。
HPの上限については火力として完成してから考える。
部屋捜しに人を操る話術を感じた話
会社が遠いので、近所へ引っ越せるよう部屋探しをしていました。
その時に対応して下さった不動産屋の担当者さんがしていた、契約を取り付けるための話の持って行き方に感心したのでメモをしておきます。
自分の能天気を戒める意味でも。
出来事
Webサイトで立地の割に安い物件を発見する
不動産屋で話を聞くと、事故物件であったことが発覚する
希望に添う他の物件を提案される
内見にはついて行けないので一人で行って下さいと言われる
言われるがまま内見に行きテンションが上がるが、その日は契約せずに去る
冷静になって物件を見直すと細かい不満に気付き、契約を止めようと思い至る←今日
信頼を掠め取る術
巧みだなと思ったのは、上記出来事の2. の部分です。
最初に私が選んだのは、都心も都心、大きな大学にもほど近い物件で、相場よりも二万円近く安いものでした。当然何らかの訳ありだろうとはある程度覚悟していったのですが……担当者さんの説明は想像を絶していました。
それを、歯に布着せずきっぱりと言い切って見せたのです。そこにポイントがありました。
何かの契約をしに行く人は、多かれ少なかれ、契約を締結する相手のことを疑ってかかるものです。敵とまでは言わないけれど、底冷えする笑みを浮かべる大臣に対するくらいの温度感で。
そこに彼は、私の誤った判断を温かく指摘しました。その物件はヤバイです。忠告します、どうか止めておきなさいと。
これが、人の警戒心を緩める上で二つの方向から同時に襲いかかってきます。一つは、単に誠実さを示すことで、警戒を緩めること。
そしてもう一つが、「この人は間違った判断をしたら訂正を入れてくれるのだ」と、判断の正誤について信頼を預けさせることです。
教師に対する信頼と、思考停止の安らぎ
誤りを誰かに指摘してもらえると言うことは、安らかな状態です。その役割は、親や教師といった、多くの人がかつて全幅の信頼を預けただろう相手が担っていました。
そうした誰かに、判断を委ねられる状態への回帰――即ち子ども返りを、先の一瞬で私は起こしてしまったのです。
そうなれば子どもを御することなど赤子の手をひねるようです。提示した選択肢が、そのまま全ての選択肢となるわけで。担当さんの言うことが世界の全てです。
とんとん拍子で話が進んだ結果、私は、あれほど事前に調べて避けようと思っていた「定期借家」という文言に関して、無視を決め込み妥協しようとしていました。
話術、と言うより交渉術でしょうか。夢から覚めてみれば、判断とも呼べぬ盲信をしていた私ですが、なるほどと感心させられたところもありました。
判断の誤りを指摘するだけで、たやすく信頼を得られる人種が存在する。私はその、か弱い人種の一人だったようです。
物件は2月に入ってもまぁまぁある
そんな魔術から目覚める一因となったのが、不動産屋さんがやたら契約書を請求する書類をせっついてくることでした。
来られなければ申請書と身分証明書をスキャンしてメールで送ってください、などという、とても恐ろしくて出来ない代替案を提示されてさえいました。
もちろん、そこにも、忙しくて来れないでしょうからこういう手段もありますよ、という私の事情への譲歩がありました。
それから、この時期は不動産の流れが速いので急いだ方が良いと思って、という、一見配慮のようでいて焦燥を煽るものも。左の件は事実そうなので、はっきりと否定が出来ませんでした。
人の判断力――というよりも、選択肢をとんとんと狭めていく。つくづくよく出来た売り手さんでした。
冷静になって、改めてサイトを眺めてみると、入居する人も多いけれど出る人も多いようで、まぁまぁ良い選択肢が残っています。
目移りするのは疲れますが、喜びに満ちた疲労です。選択の自由、開かれています。
せっかくネットがあるのだし、常に広い世界に目を向けた視野を持ちたいものだと思わされた一件でした。